安さだけでは選ばれない。眼鏡の調整で感じたサービス業の差
- 4 日前
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先日、うっかり眼鏡を踏んでしまいました…
フレームが曲がってしまい、このままでは仕事にも日常生活にも支障が出そうでした。
私は、眼鏡は毎日使うものなので、少し曲がっているだけでも、見え方や掛け心地が気になって集中力が削がれてしまいます。
そこで、近くにあったメガネスーパーに持ち込むことにしました。
ただ、その眼鏡はメガネスーパーで購入したものではありません...
公式サイトには「他店で買った眼鏡でも修理対応します」といった趣旨の記載がありましたが、正直なところ、どこまで丁寧に対応してもらえるのだろうかという不安もありました。
ところが、実際には想像以上にとても丁寧に対応していただけたのです。
店舗に行って事情を説明すると、店員の方はすぐに眼鏡の状態を確認してくれました。そして、曲がってしまったフレームを、無料でできる範囲で調整してくれました。
嫌な顔をせず丁寧に対応いただけただけで、とてもありがたかったのですが、印象に残ったのはその後です。
店員の方は、単に曲がった部分を直すだけではなく、眼鏡全体の状態を確認し、ツルとフレームをつなぐ部分のネジ穴が緩くなっていることも指摘してくれました。
原因は、踏んでしまったことによる衝撃に加えて経年劣化が原因だろうとのことでした。長く使っているうちに、ネジ穴が少しずつ広がり、どうしても緩みやすくなるそうです。
自分では、そこまで気づいていませんでした。
ただ「踏んで曲がった」としか思っていなかったのですが、実際には以前から劣化していた部分もあったようです。
部品の有無まで確認してくれた
さらに、その店員の方は、交換できる部品があるかどうかまで確認してくれました。私の眼鏡はメガネスーパーで購入したものではありません。
それにもかかわらず、「この部品があれば、もう少ししっかり直せるかもしれません」という雰囲気で、可能性を探ってくれました。
結果、その店舗には私の眼鏡に合う部品はありませんでしたが、店員の方は、「部品がなくて申し訳ありません」というような姿勢で対応してくれました。
こちらとしては、そもそも他店で買った眼鏡で、丁寧な対応で無料で調整してもらっただけでも十分ありがたい状況です。
それなのに、部品がないことまで申し訳なさそうに伝えてくれた。この対応に、とても好印象を持ちました。
うれしかったのは、無料だったからではない
今回、私がうれしかったのは、単に無料だったからではありません。
もちろん、無料で修理・調整してもらえたことはありがたいです。ただ、それ以上に印象に残ったのは、対応の姿勢でした。
自店で買った眼鏡ではない。その場で新しい眼鏡を買うわけでもない。直接的な売上につながる話でもない。
それでも、目の前で困っている人として、きちんと向き合ってくれました。
その姿勢が伝わったからこそ、「次に眼鏡を買うときは、このお店で購入したい」と自然に思いました。
サービスの価値は、こういう小さな場面に出るのだと思います。
サービスの差は、現場の対応に表れる
一方で、別の眼鏡店では少し違う印象を受けたこともあります。
もちろん、どの会社でも店舗や担当者によって対応は違います。たまたま私が訪れた店舗や、そのときの担当者によるものかもしれません。
ただ、自店で購入したものではない眼鏡の調整をお願いした際、どこか積極的ではない印象を受けたことがありました。
「できれば対応したくないのかなぁ」と感じてしまうような空気です。
もちろん、眼鏡の状態や素材によって、対応できることとできないことはあると思います。安全面や破損リスクを考えれば、店側が慎重になるのも理解できます。
ただ、同じように無料調整を掲げていたとしても、実際に利用者が受ける印象は、現場の対応で大きく変わります。
マニュアルに何が書いてあるかだけではありません。目の前のお客さんにどう向き合うか。
そこに、サービスの差が出るのだと感じました。
安さだけでは測れない価値がある
最近は、安くて早く眼鏡を作れるお店も増えました。これは利用者にとって、とてもありがたいことです。
手頃な価格で眼鏡を買える。短時間で受け取れる。デザインも選びやすい。
そうした量販店の良さは確かにあります。
一方で、価格を抑えるビジネスでは、どうしても効率化が必要になります。限られた時間で、多くのお客さんに対応しなければなりません。
その結果、店舗や担当者によって、サービスの当たり外れを感じやすくなるのかもしれません。
安いことが悪いわけではありません。むしろ、価格の安さは大きな価値です。
ただ、困ったときにどこまで見てくれるか。その点は、価格だけでは測れません。
今回の出来事で、私は改めてそう感じました。
売上にならない対応が、将来の信頼をつくる
今回の対応は、店舗側から見れば、その場では売上にならなかったかもしれません。
眼鏡を新しく買ったわけではありません。有料修理をお願いしたわけでもありません。他店で買った眼鏡を、無料で調整してもらっただけです。
それでも、私の中には強い印象が残りました。
「あの店は丁寧に見てくれた」
「困ったときに、きちんと対応してくれた」
「次に眼鏡を買うなら候補にしたい」
こういう気持ちは、広告だけではなかなか生まれません。
おそらく、サービス業において本当に大切なのは、このような小さな接点の積み重ねなのだと思います。
売上にならないように見える対応が、結果として信頼を生むことがあります。
そして、その信頼が、将来の購入や紹介につながることもあります。
自身の仕事にも通じる話
今回の出来事は、私たちのような専門家の仕事にも通じる話だと感じました。
税務や財務の相談でも、最初から大きな契約になる話ばかりではありません。ちょっとした疑問や、不安から相談が始まることもあります。
「これは経費になりますか?」
「この借入は今のうちに見直した方がいいですか?」
「相続対策は、まだ先でも大丈夫ですか?」
相談する側からすれば、小さな疑問に見えるかもしれません。しかし、その背景には大きな不安があることもあります。
専門家側が、「それは契約してからでないと答えられません」という姿勢だけでは、信頼は生まれにくいと思います。
もちろん、専門的な判断が必要な内容について、安易に断定することはできません。
税務、財務、不動産、相続の判断は、個別事情によって結論が変わることも多いためです。
それでも、最初の段階で、
「何に困っているのか」
「どこが不安なのか」
「今すぐ確認すべきことは何か」
を一緒に整理することはできます。
目の前の人の困りごとに、どこまで丁寧に向き合えるか。そこに、専門家としての姿勢が出るのだと思います。
困ったときの対応は、記憶に残る
人は、商品そのものよりも、困ったときにどう扱われたかを覚えているものです。
今回の眼鏡店での出来事は、日常の中の小さな出来事でした。しかし、サービス業として大切なことを改めて考えるきっかけになりました。
安いか高いか。有名かどうか。近いか遠いか。
もちろん、そうした要素も大切です。
でも最終的には、
「困ったときに、この人はちゃんと見てくれるか」
「このお店は、こちらの状況に向き合ってくれるか」
という部分が、信頼につながるのだと思います。
今回の出来事は、まさにそれを感じさせてくれるものでした。
私自身も、税務や財務の仕事をするうえで、目の前の相談者に対して、形式的な対応で終わらせないようにしなければと改めて思った次第です。
小さな困りごとに見えても、本人にとっては大事な問題かもしれません。
その背景まで丁寧に見ることが、信頼される仕事につながるのだと思います。
